しくじり薬剤師 Aさんのプロフィール
ドラッグストアチェーンで働く、薬剤師歴3年目。経験の浅い部分は、元気と笑顔でカバーする、薬剤師には珍しい体育会系タイプ。
良かれと思って対応したことが、思わぬ“しくじり”になってしまう。薬剤師なら誰もが経験があるのではないでしょうか?今回、皆様にお伝えしたい授業テーマは、こちらです。
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![イエスマン薬剤師にならないための授業](/shikujiri/img/01/img_contentsShikujiri__theme_01_pc.png)
当時の私
3年前、私はドラッグストアにまだ入社したての新人でした。オープンして間もない店舗に配属され、処方箋調剤・OTC、覚えることが盛りだくさんの環境。心がけていたのは、人の言うことを全て吸収し取り入れることでした。先輩薬剤師の会話に耳を傾け、作業の所作を盗む日々。着実に自分の成長を感じていました。先輩の仕事ぶりを見ていると、皆、患者さんから感謝されています。私も早くそうなりたいな、と思っていました。
ある日、起きた出来事
ようやく、薬剤師としての自信がついてきたころ、おじいさんの患者さんがいつも買っている“のど飴”を探していました。どうやら店頭になかったようで、商品を知っていた私は、在庫を裏から見つけてきました。「悪いね、気がきく薬剤師さんで助かるよ。」と声をかけてくれました。その後、いつもの“のど飴”のことや、一包化を頼まれるなど、おじいさんとの関係性を築くことができました。患者さんからの要望に「YES」と答えれば、喜んでもらえる。そのことが大きな成功体験となりました。それからしばらくたったある日、いつものおじいさんと、なぜか、その息子さんも一緒にやって来ました。おじいさんにいつもの元気がありません。息子さんがこちらにやってきて「薬剤師さん、親父に“のど飴”こんなに売りつけてどういうつもり?」とお怒りの様子。詳しくお聞きすると、おじいさんは認知症が始まっており、“のど飴”を購入したことを忘れて、無くなる前に買ってきてしまったようです。私はその兆候に気づくことができませんでした。すぐにその場で息子さんに謝罪をしました。
![YESと答えてあげることこそ、患者さんのためである!](/shikujiri/img/01/img_contentsShikujiri__chart_01.png)
しくじりの気づき〜反省
“患者さんの思いを汲むことが全てではない”と先輩から指導を受けたのを覚えています。例えば一包化の要望も、確実に飲める反面、患者さんの薬識を育てないという側面もあります。この“しくじり”をきっかけに、薬剤師としての心構えが大きく変わりました。
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![オレみたいになるな!!](/shikujiri/img/01/img_contentsShikujiri__lesson_02_pc.png)
患者さんから頼りにされていると感じている時。ついつい、言われたままに対応してあげたい、と思うかもしれません。そんな時にこそ、踏みとどまり、もう一度その理由を考えましょう。