なぜワールドワイドなのですか?
- エース:
- 今日はワールドワイドな薬剤師さんにインタビューさせていただきます!よろしくお願いします。
- Aさん:
- よろしくお願いします!海外旅行でハワイに1度だけしか行ったことのない私がワールドワイドを名乗っていいのか不安です(笑) 外国人の方に服薬指導する機会が増えてから、まだ1年位なんです。
- エース:
- 1年前まではそういった事はなかったんですか?
- Aさん:
- はい。都内の店舗でしたが、1年に1人か2人ぐらいしか外国人の方はいらっしゃらなかったですね。今は毎日1人か2人ぐらい、服薬指導しています。
- エース:
- なるほど。急にそんなに増えた理由はなんですか?
- Aさん:
- 異動した薬局は、近くに大使館がたくさんあって、住んでいる外国人の方もすごく多いんです。主に小児科の処方箋を受けるんですが、大使館にお勤めになっている方のご家族がお子さんを連れてくることが多いですね。
- エース:
- 患者さんは日本語が話せるんでしょうか?
- Aさん:
- 大使館に勤めていらっしゃる方は、仕事で日本語を使っているので話せますね。ただ、そのご家族は日本にきて間もなかったりするので・・・ほとんど話せないケースもあります。
- エース:
- それは結構ピンチに陥りそうですね。。そういった日本語が全く通じない方とコミュニケーションするのに難しいケースはどんな時でしょうか?
- Aさん:
- ある程度症状は予想できるのですが、服薬指導が難しいかもしれませんね。特に点鼻薬の指導は難しかったですね。指導箋の絵を一緒に見ながら、身振り手振りのジェスチャーでなんとか切り抜けました(笑)
いますぐ使えることを教えて!
- エース:
- この薬局に来てから英語の勉強はしましたか?
- Aさん:
- まず症状のキーワードは覚えましたね。「1日3回毎食後」とか頻度の高いものです。先輩たちが使っていた英会話ハンドブックが薬局に置いてあって覚えました。
大学での授業では、週一回くらい、2年生くらいまで座学で薬局英語を習いましたね。ロールプレイングもありましたけど、それが活きている感覚はないんです・・・(笑)授業時間も少ないんで、すっかり忘れちゃっていましたね。
- エース:
- やっぱり使う機会がないと、人は勉強しないものですかね(苦笑)
ちょっと都合がいいお願いですが、薬剤師さんがすぐに使えるような外国語を教えてください!
- Aさん:
- そうですね。小児科なので、患者さんの症状はある程度決まっていて、発熱、腹痛、頭痛などが多いですね。そういう意味ではfever(熱)やstomachache(腹痛)は聞き取りの重要なポイントになるかもしれません。
- エース:
- やっぱり基本が大事!と。では応用やピンチを乗り越えるコツなんかはありますか?
- Aさん:
- 応用でいうと、副作用の説明は結構難しいですね。例えば精神科の薬とか。その辺りは結構お手上げです。製薬メーカーのサイトに上がっている英語版の薬情を印刷してお渡しするケースも多いです。
- エース:
- シーンに合わせて、うまくツールを使っていると。
- Aさん:
- 全て個人の力では無理です(笑)あと最近、アジア系の訪日観光客の方も多いですね。英語でなく中国語・韓国語で話されると、本当にわからないです!中国の方には、とにかく紙に書いてもらいました。漢字でなんとか伝わると行った具合でしたね。
- エース:
- 韓国語は文字になってもハードル高そうですね!
- Aさん:
- そうですね、ハングルは解読も難しいです。あと、症状を伝えようと焦っていてらっしゃる方は、一方的に話し続けてしまったり、調剤室へ入ってこようとしたり(笑)安心して!落ち着いて!というキーワードもいいかもしれないですね。
薬剤師へ伝えたいこと
- エース:
- 薬剤師さんの多くは、外国語対応をあまりしたことがない方が大半だと思うんです。何か伝えたいことはありますか?
- Aさん:
- 私もつい最近までその状況でしたので、偉そうには言えませんが(笑)最初はすぐに「ソーリー!」といって、裏に行って調べたりとかしてました。今は、目を見てちゃんとコミュニケーションを取ろうという姿勢を見せること、これを意識してますね。
- エース:
- ちゃんと向き合う姿勢、ということですか?
- Aさん:
- 難しい言葉や単語を知っているかどうか、ということも大事ですが、聞こうとする姿勢をしっかり相手に見せることが重要かなと。患者さんも体調が悪いですし、慣れない日本で伝わるか不安ですよね。だから、どしっと構えるようにしています。
- エース:
- 確かに、不安なのは外国人の方も一緒ですもんね。ここに新たに入ってくる薬剤師さんも、慣れるまで時間がかかるんじゃないですか?
- Aさん:
- 「何を言ってるのかわかりません!」「薬局長、代わってください!」といったヘルプはよくきます。そもそも海外の方のビジュアルを見ただけで、白旗をあげてしまう人も多いですよね(笑) そういう時は「もう一回頑張って!」となるべくチャレンジしてもらうようにしています。まさに「Calm down!(カーム ダン)大丈夫だから安心して!」と伝えたいですね。
- エース:
- 今日はありがとうございました!明日、薬局に外国人の方がいらしたら対応できるような気がしてきました(笑)最後にアドバイスをお願いします!