オトコ薬剤師の働きぶりをチェックする謎の男たち。
そう、彼らは薬剤師採用責任者!
客観的な目で薬剤師を見極めてきたプロフェッショナルがオトコ薬剤師をぶった斬ります!
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ぶっちゃけ、オトコ薬剤師ってさ…
- テーマ1オトコ薬剤師、転職甘くみてない?
- テーマ2近頃のオトコ薬剤師の実態
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オトコ薬剤師に未来はあるのか?
- テーマ3こんなオトコ薬剤師が欲しい!
- テーマ4レベルUPせよ!オトコ薬剤師
これが、薬剤師採用責任者だ!
大手調剤薬局Aさん執行役員
- 薬剤師歴15年。大手調剤薬局チェーンにてキャリアアップを重ね本社人事へ昇進。真面目で謙虚な性格が売り。
中堅薬局Bさん執行役員
- MRに長らく従事した後、中規模の調剤薬局チェーンへ。介護・医療経営コンサルにも携わる。冷静沈着なキャラ。
小規模薬局Cさん取締役
- 20店舗の調剤薬局を経営。現場・経営にも長く携わり経験豊富なメンバー最年長。思ったことをズバズバと言う切れ者。

ホンネ座談会 前篇「ぶっちゃけ、オトコ薬剤師ってさ…」
オトコ薬剤師、転職甘くみてない?
- 今回はオトコ薬剤師のことを知り尽くした、採用担当責任者にお集まりいただきました。
早速ですが、採用面接を行ってる中で、感じること教えてください!
- 昔からどこも薬剤師不足が続いているから、彼らは転職先に困っている印象はないですよね。
さらに薬剤師は資格を手に入れているプライドがあるし。少し高飛車な人も多いかな。
- オトコ薬剤師の履歴書とか、他の業界の採用担当が見たら驚くんじゃない?
転職を甘くみてると思われそう(笑)履歴書もとりあえず書いときゃいいって人もいるよね。
- 確かに。記入スペースが大きい意気込みを書く欄に、たった1行しか書いてないとかありますよね。名前書いたら面接は受かる、と思っている人もいる。これは薬剤師採用あるあるですね(笑)
- 薬剤師の面接は、他業界から比べたら、甘いんですよね。うちの社長がオトコ薬剤師に圧迫面接をやってしまって、全然採用できなくて(笑)
彼らは「コミュニケーションにおける忍耐強さ」が足りないのかもしれない。
- 我慢や忍耐力は最近はなくなったね。転職を繰り返していれば、いずれ自分の理想の環境にめぐり合えるのでは?と思っている。そのままじゃ成長はないよね。
- だから「渡り鳥タイプ」のオトコ薬剤師が大量発生してる。経験豊富な人は魅力的だけど、若いのに7〜8社も転職を繰り返している人は、ちょっとね。履歴書から方向性や軸がないことが見えてしまう。

- オトコ薬剤師にありがちな、不思議な転職理由ってありますよね。家を買ったから、結婚するから転職する。妻から転職しろって言われた、とか(笑)ちょっとオトコとしては情けないけど、時代なのかもしれないですね。
- あるある(笑)
- オトコ薬剤師のどういったところを面接で見てますか?
- 基本だけど、面接に至るまでの電話やメールの受け答えなどのコミュニケーション力ですよね。だけど面接し終わって、薬局に配属されたら全然違った!というケースもあるので(苦笑)
面接後などに一緒にご飯を食べに行って本音を引き出す、とかも地道にやってます。
- 面接中は「年収・勤務時間・残業・異動」などがオトコ薬剤師からの質問の中心になりがち。
目線が条件重視になってしまっているよね。大事なことだからちゃんと答えるけど、面接官としては内心はちょっと残念。やっぱりそこか、って(笑)
- 条件はもちろん大事なんだけど、そこだけに目が向いている人が、薬剤師の転職では多いと感じますね。本来の医療人としての心得を、面接の時に語ってくれる人はあまりいないかもしれませんね。
- 売り手市場、という背景もあるけれど、もしかしたら何をしたらいいのか、ビジョンがない人が多いのかもしれません。人の個性が出てくるのは、30半ばくらいから、と僕は実感してます。経験を伴わないと、仕事の信念のような薬剤師キャリアの軸が見えてこないよね。

ホンネ座談会 前篇「ぶっちゃけ、オトコ薬剤師ってさ…」
近頃のオトコ薬剤師の実態
- 皆さん、結構手厳しいですね…(涙)近頃のオトコ薬剤師の印象はどうですか?
例えば6年制の若手薬剤師との差など感じていますか?
- どちらかと言うと、実務実習など引き受ける企業側が準備するのに苦労したかな。学生自体はそんなに大きくは変わってない印象ですかね。こじんまり・安定して働きたい若者が増えて、“良いとこのお坊ちゃん”が増えたかも。
- そうですね。6年制になって高度なことを知っている分、頭でっかちな子が多いかな?という印象ですかね。勉強している分、既にできた気になっている、というか。まあ、自分も新人の時はそうだったんですが(笑)
- 薬剤師は「専門性を高めてエキスパートを目指そう」、と大学から言われている影響でしょう。昔は分業したい!という意思を持つ人が多かった。今マネジメントや開業に興味を持ってる人は、感覚では1割2割くらい。かなり少なくなったよね。
- 基本的におとなしいオトコ薬剤師だけど、若い人はさらにガツガツしてる人が少ない。
だからなのか、店舗でも地域密着型は人気だね。安定して無理せず働ける職場が彼らのニーズに合っているみたい。若いうちは行動力が評価されるから、新しい環境にチャレンジしてもいいと思うけどね。
- そうなんです、オトコ薬剤師は草食系多いですよね。我々は大手調剤チェーンなんで安定を求める薬剤師が集まるからなのかなあ。失敗を経験していない人が多いイメージ、ですかねえ。
- 昔は、もっとパッションがある薬剤師が多かった。独立心が強い人たちでしたよね。もっとガツガツ、肉食系な雰囲気。僕も当時そうだったからよくわかるけど、医者とのリレーションを築く必要があった時代。今のオトコ薬剤師は根本的に違うのかも。

- 若い子もそうだけど、もう少し上の世代も似た様なところはあるよね。責任があることをやりたがらない人が多い。仕事を辞める覚悟だけはあるんだけど(笑)もうひと頑張りで諦めてしまうケースが多くて勿体無いな、と思う。
- スマートに仕事をするオトコ薬剤師、多いよね。もっと殻を破ればいいのに、と思う。例えば研修医とかさ、かなり大変で泥臭い仕事なワケ。だけど揉まれながら格段に成長していく。オトコ薬剤師の「のびしろ」がもっとあると常々感じるんだけどなあ。
- まあ、もともとディフェンスの仕事。基本的にミスが許されないのが薬剤師ですからね。
それにしてもクリーンになりすぎてる。我々やそれぞれの上司がチャレンジをできる環境を作っていかないといけないですよね。
- そうですね、壁があった時に乗り越えようとしない。薬剤師像としては昔から変わらないかもね。国家資格者の医療人としての責任感が足りない存在だと、長い間言われてきていますからね。


