しくじり薬剤師 Cさんのプロフィール
薬剤師歴20年のベテラン。転職歴も3回あり経験豊富。
真面目で正義感が強く、薬剤師としての理想を追い求める熱血漢。
薬剤師と医師との関係性における“しくじり”。これは薬剤師の永遠の課題ではないでしょうか? 今回、皆様にお伝えしたい授業テーマは、こちらです。
当時の私
数年前、チェーンのドラッグストアに勤めていました。その時に知り合った薬局経営者の方から、独立を見越して経験できる店舗を紹介されました。「より経営に携える!」小さな薬局でしたが、これからの可能性に胸を踊らせ、日々奮闘していました。
ある日、起きた出来事
新たな薬局に就業して半年ほど経ったある時、メインの処方元のA先生の患者さんから「A先生に診て貰っても症状が良くならない。セカンドオピニオンというのを聞いた事があるけど、どこか良い先生を知らないかしら?」と相談されました。何回か顔も合わせ、疑義照会で問い合わせも入れていたA先生は、とても優しい方。評判も良く患者さんへのフォローもしっかりされているので、医療人として信頼していました。「A先生なら患者さんの思いを優先してくれるだろう」そう考え、私は自分の知っている医師を紹介。患者さんからは、とても喜ばれ、正しいことができたと思っていました。後日、いつものように事務処理をしている時に一本の電話が鳴りました。受話器を取ると、いつも温厚なA先生がお怒りの様子。話によれば、患者さんがセカンドオピニオン先を薬局から教えて貰ったと、人づてに伝わってしまったらしく…その場では平謝りで、なんとか場を収めました。その後、私は社長から呼び出され「気持ちはわかるけど、A先生とウチの昔からの関係性があるからさあ。」と、釘を刺されてしまいました。
しくじりの気づき〜反省
紹介された時は、医薬分業がしっかりしている薬局だと聞いていたので安心しきっていたのですが、内実はそうではなかった。A先生は全く悪い人ではないのですが、私が本音をぶつけ合える関係性を築けていなかったこと、今までの薬局と医師との関係性の理解が甘かったのが“しくじり”の要因となってしまいました。
門前やマンツーマンでの分業では、医師との関係性を築くことができないと、患者さんのためにならないことも。医師の影響を受けずに自分の理想とする対応がしたい!そんな思いを持つ薬剤師は、色々な職場を検討してみる事をお勧めします。