調剤薬局はどういう場所だと思いますか?
エース:さあ、「世間ふしぎ発見!」スタートです!オトコ薬剤師のお二人、よろしくお願いいたします。まず一般の患者さんから見て、調剤薬局はどのように見られていると思いますか?
Aさん:基本的には、病院の帰りに処方箋を持って訪れる場所だとは思います。
エース:それ以外の要件では訪れないですか?例えば、健康食品とかサプリメントを置いている調剤薬局もあります。あと、健康について相談する場所・相手として認識されているのでしょうか?
Bさん:どうなんだろう?OTC薬の購入する場所としての役割はドラッグストアに委ねているでしょうね。調剤薬局には、もっと魅力や可能性があるとは思っているけど、現状は薬を受け取る場所として認知されてそうだね。
Aさん:うーん、そうですね。個人的には、かかりつけ薬剤師として患者さんとやりとりしているので、相談する相手として頼りにしてもらいたいですが。
エース:その辺り、患者さんがどう思われているのか、アンケート結果はこちら!
エース:予想通り、お薬を調剤をしてもらう場所として認識をされているようですね。それにしても、相談できること、健康サポート薬局としての機能、などが低く出ていますね。
Aさん:そうだよなあ、といった印象です。関係性を築けていない限り、初見で健康に関する質問や相談をしてくる患者さんはいないのが現状ですよね。
Bさん:うーん、そうだね。もっと調剤以外のところが伸びててほしい!けど、しょうがないのかなあ。
エース:続けて、なぜ患者さんは調剤薬局に、お薬の調剤以外を期待していないのか? 結果はこちら。
エース:処方箋がないと調剤薬局に行かない人はほぼ9割。さらに、OTC薬やサプリメントの購入者は0%!かなり厳しい結果ではないでしょうか。私も調剤薬局勤務なので、ショックです(涙)
Aさん:私は調剤薬局しか経験していないので、この数字には納得感があります。お薬の調剤以外に患者さんが来訪するケースは、、、小児科の処方元が多い地域なので、例えば子供が怪我したので「緊急対応で傷薬など欲しい」とか、そういうケースはありますね。ただ稀ですけど。
Bさん:処方箋なし、で調剤薬局に来て相談するハードルは高いよね。ドラッグストアだって、入店のハードルは低いけど、薬剤師の元へ相談しにくる人はそこまでは多くないし。それこそOTCなんて、服薬指導中に相談を受けて説明しても、その薬をドラッグストアに買いに行っちゃうケースがありますよね。調剤薬局は何かを買ってもらえる場所になりきれない。
エース:そこも“フシギ”ですよね。調剤薬局でOTCや健康食品などを買わない人へまた聞いてみました。
エース:そもそも、処方箋がないと調剤薬局へ行かない人が過半数!さらに、「金額が高い」「品揃えが悪い」などが障壁となっているようですね。
Aさん:このデータは…根が深い問題な気がしますね。根本的に処方箋がないと行く場所ではなく、商品への評価も低い。行く理由が見当たらないじゃないですか!
Bさん:商品の価格で見ると、ドラッグストア時代はNB(ナショナルブランド)商品よりもPB(プライベートブランド)商品を勧めていたなあ。売上と利益への意識が徹底してた。調剤薬局は店舗ごとに予算があるけど、どうしても調剤がメインで、その他は二の次の存在になってしまうよね。まあ、今回はそれ以外の要因の方が大きな問題のようだけど。
Aさん:調剤薬局は値段で戦えないですもんね。知識の良さやホスピタリティで戦わないと。今、高齢者向けで、ケアマネや処方元の先生とQOL(キューオーエル)をチームで上げる提案を考えたりしています。例えばオムツの購入は継続的なので、介護用品などに目を向けていってます。
Bさん:うん、その方向性はいいね。例えば薬剤師がいないと買えない一類のロキソニンとかガスターは夜に駆け込みで買ってもらえるケースはあるけど、継続性はないもんね。厚労省のビジョンに健康サポート機能があるけど、この部分は弱いのが現状ですね。頑張らないと。
エース:そうですね。患者さんにもっと調剤薬局を利用してもらえるよう、意識改革をするのが急務なようです。では、さらに調剤薬局についての個人的な疑問を聞いてみました。これもなかなか面白いですよ。
調剤薬局で疑問や不満に思うこと
一般男性
- お薬手帳を勧められること
- ジェネリックを勧められること
- 医者に説明したのに薬剤師に再度説明する or 質問されること
エース:男性は「お薬手帳」「ジェネリック」について聞かれるのが、疑問や不満のようです!
“お薬手帳の確認をされるのが、すこし面倒”(40代男性)
“お薬手帳が面倒なので、全国共通での電子化等は出来ないものでしょうか”(50代男性)
“やたらジェネリックを薦めてくるが、薬の成分を詳しく知らないので正規品との違いを説明できる人にいまだであったことがない”(50代男性)
などの声がありました。この辺りは後半でも出てくるテーマです。
Aさん:当たり前のように薬剤師が声かけすることが、疑問だったりストレスになっているとは…確かに男性の患者さんは、お薬手帳を持ってくる方は少ない印象ですね。稀にしか病院に通わないような方は特にその傾向はありそうです。電子化されていることも、周知できていないですからね。
エース:そうですよね。男性の方が、自分が持ってないものを確認されたり、必要としていないことを勧められる、というような理にかなわないことが気になるのかもしれませんね。
Bさん:3番目にあるけど、「薬剤師より医者の方が正しい・偉い」と決めつけてくる男性の患者さんはたまにいるよね。頑固なおじいちゃん系に多いかなあ。疑義照会の話をすると「医者が言った通りに出せばいいだろ!」なんて、あるあるじゃない?(笑)
Aさん:ああ、すごくわかります。つい先週「薬局長出せ!」っておじいさんに呼ばれたら、そんな感じでした。結局、重複薬だったのでこちらが正しかったんですけど。
Bさん:やっぱり(笑)この現象も“フシギ”だけど、前の回答のように薬剤師が薬を出すだけの役割だと思われていたら、この状態は抜け出せないよね。
世間から見た調剤薬局は
“フシギ”度30%
- スーパーエースくん
- フシギ度はそこまで高くないけど、本質的な課題が多数見られました。世間は厳しい!?
- Aさん
- 予想がつくことも多かったです。反面、越えるのが難しい壁の存在を感じています。
- Bさん
- まあこんな感じかな、って思いました。頑張れ若者、ってAくんの未来を応援してます(笑)
薬剤師コメンテーター