すぐに仕事で活かせる!知って得するコミュニケーション術

新しい時代の薬剤師に求められるのは患者さんとの関係性づくり 観察力・薬歴の読解力・会話力 3つの力を使いこなしたコミュニケーション術で明日からの仕事に活かしましょう!
今回お話をうかがった
薬剤師さんはこちら!
Aさん
首都圏の調剤薬局を中心に、薬局長として
いくつもの薬局業務に従事。
お酒が大好きな穏やかなベテラン薬剤師。
知って得する
コミュニケーション その①

『観察力』

エース
本日は知って得するコミュニケーション術について、観察力、薬歴の読解力、会話力の3つの方向から、ベテラン薬剤師のAさんに伝授していただきたいと思います。よろしくお願いします!
Aさん
結構プレッシャーですね、本当に私でいいんでしょうか(汗)なるべくみなさんのお役に立てるように頑張ります。
エース
大丈夫です、ベテランオトコ薬剤師として、胸を張ってください!(笑)早速ですが、まずは薬剤師の「観察力」について教えてください!
Aさん
そうですね、調剤中も常に待合室の様子を見るようにしています。たとえばですけど、一包化したものが出てくるのを待ってるときって、患者さんからしたら薬剤師が何もせずボーッとしているように見えるんですよ。
エース
ほー、たしかに。待合室の患者さんからは、薬剤師が何もしていないように見えてしまうかも…
Aさん
だから、その間を埋めるように、機敏に動きます(笑)特に「こっちは待っているのに」と患者さんが思っていそうなシチュエーションの時はですね。待合室が見えやすい調剤室だと、なおさらかな。
エース
その視点はあまりなかったです!待合室の状況も見ながら、患者さんからの見え方にも気を配るわけですね。
Aさん
そうですね。昔、先輩に指導されたんですが、白衣を脱いで患者さんとして、待合室に15分間座って観察してみたことがあります。薬剤師がどういう風に見られているかが理解できるようになりましたね。
エース
なるほど、客観的に薬局を見るわけですね。それは気づきがあるかも。
Aさん
あとは窓の外に新患さんらしき方が来たら、すぐに受付や問診票の準備をするよう心がけています。初めて薬局に来られる方って、病院で渡された薬局のマップを見てキョロキョロしていることが多いんですね。もちろん薬局の立地にもよるとは思うんですが。そのような人を見かけたら、すぐ準備しています。
エース
動きを見て新患さんかどうかを判断されているんですね!
Aさん
少し意識するだけで対応もスムーズですからね。

現場でつかえる
コミュニケーションのコツ!

薬局に訪れる患者さんの行動をまずはチェック!
知って得する
コミュニケーション その②

『 薬歴の読解力 』

エース
ありがとうございます。薬剤師さんって、新患さん以外は薬歴をあらかじめチェックしてから服薬指導をすると思うんですけど、薬歴でチェックすべきところって何でしょうか?
Aさん
前回と比べて薬が増えているのか減っているのかは必ず確認しますね。たとえば血圧の薬が10mgから5mgに変更になっているケースってよくありますよね。
エース
はいはい。
Aさん
数字の変化ばかり見がちですけど、そこから“なぜ?”を考えますね。『体調が良くなったのかな?薬が強いのかな?それとも体に合わなかった?』っていろいろ仮説を立てて考えるのが大事だと思います。
エース
ちょっとした数字の変化から、なぜ?を始める。ふむふむ。
Aさん
はい。で、そのときに注意していることがあって。「薬の用量が減ってますけど、強すぎました?」とは聞かないようにします。不安を与える言葉より、ポジティブに「調子が良くなったりしましたか?」と聞いてますね。
エース
不安を抱かせないような聞き方もポイントなんですね。確かに、会話をするきっかけとしてはそれがいいかも。
Aさん
患者さんの様子を見ながらですけどね。患者さんは薬の効きにナイーブになっていることが多いので。あと男性薬剤師ならではですけど、婦人科系の薬が出ているときは、できるだけ女性薬剤師に服薬指導をお願いしています。女性の薬剤師が「自分が行きます」って配慮してくれることも多いですね。逆に男性薬剤師が対応した方がいいケースもありますね。

現場でつかえる
コミュニケーションのコツ!

頭の中の仮説をポジティブな内容でピックアップ!
知って得する
コミュニケーション その③

『心地良い会話力』

エース
参考になる話ばかりですね。最後は「会話力」です。男性薬剤師って、少し苦手な人も多い印象がありますが(汗)Aさんはとくに意識されていることはありますか?
Aさん
僕は『自分に興味を持ってくれているんだな』と患者さんに思ってもらえるような会話を心がけていますね。それにはやっぱり、患者さんとの共通点を見つけることが大事だと思います。
エース
共通点ですか。たしかに同じ話題があると話が盛り上がりますよね!
Aさん
例えば・・・糖尿病の患者さんの薬歴に、お酒を飲む記載がありました。「どういうお酒を飲みますか?」と自然と聞いたんですね。そうしたら「ビールですかね〜」と。私もお酒が好きなので「ビールを飲みたい気持ちはわかりますが、ビールは糖質が多いですよ!」と会話が続いて、けっこう盛り上がっちゃって。
エース
服薬指導で必要な情報を伝えつつ、話を盛り上げる!さすがベテランです!
Aさん
その人がたまたま町内会の役員さんだったみたいで、すごくフランクな方で・・・なんと後日、一緒に飲みに行きました(笑)ビールではなく、ハイボール中心にしましたけどね。
エース
えーすごい!そんなエピソード、薬剤師仲間で聞いたことないです・・・驚きです。Aさん、今日はありがとうございます。細やかなコミュケーション術が、非常に参考になりました。
Aさん
はい、この話はレアケースなので、みなさんは患者さんとの節度な距離感を保ってくださいね(笑)ただ腹を割って話せるくらい患者さんから信頼してもらえることが、これからの薬剤師には必要になってくるとは思います。
エース
Aさん今日はありがとうございました。ちょっとの準備や心がけが、患者さんとのコミュニケーションを円滑に進めることができるんですね。オトコ薬剤師のみなさんも、コミュニケーション術を参考にして、頑張りましょう!

現場でつかえる
コミュニケーションのコツ!

共通の話題から発展する会話を楽しもう!
Aさん直伝

知って得する
コミュニケーション術
まとめ

観察力
患者さんが薬局に入る前の
動きから観察しておこう
薬歴の
読解力
数字を見て多くの仮説を
立てられるようになろう
心地良い
会話力
共通点を見つけ患者さんへ
の興味をアピールしよう

薬局へ入る前にキョロキョロしている方は新患さんの可能性あり。受付や問診票を準備しておくとスムーズに進みます。

薬歴をただのデータとして見るのではなく、そこからさまざまな仮説を立てて服薬指導に活かすのも大事です。なぜ処方が変わったのかを尋ねるときはポジティブに聞くのも忘れないようにしましょう。

そして心地良い会話を進めるためには、患者さんとの共通点を服薬指導やアンケートから導き出すと関係性を築けるケースもありますよ。

知って得するコミュニケーション術

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