医師のお墨付き!薬剤師が現場で使えるPLUSなセリフ

患者さんに、ふと聞かれる素朴な疑問、あなたはすぐ答えられる!?
よくある質問にズバッと回答できる、
医師監修の「薬剤師のセリフ」をご用意しました。
いますぐ現場で役立つ、プラスなスキルを身につけましょう!

現場で使える
プラスなセリフ②

コレステロールの薬で
筋肉が溶けるって本当?
と聞かれたら!?

もう何年もコレステロールの薬を飲まれている患者さんから、ある日こんなことを聞かれたんです。
「コレステロールの薬って筋肉が溶ける副作用があるんだって??もう長いこと飲んでるけど、大丈夫なのかね??ちょっと心配になってきちゃってさ。」
長いこと飲む薬だから体に悪いのであれば、あまり飲みたくないというようなことも言われて…。こういうときってどうしたら良いんでしょう??

ずっと飲むお薬だからこそ、気になることも出てくる。ネットで検索するだけでも情報はたくさん出てきますからね。センセイ、こんな時はどう対応したら良いのでしょう??
はい、まずはコレステロールの薬を飲む理由から把握してもらいましょう!

★ ドクター チェック ★

コレステロールの薬を飲まないといけない理由

悪玉コレステロール(LDL)、中性脂肪(トリグリセライド)、善玉コレステロール(HDL)のいずれか、または複数に異常がみられる状態を脂質異常症と呼びます。

脂質異常症は、2007年から用いられるようになった名称です。以前は高コレステロール血症や高脂血症と呼ばれていました。

脂質異常症は動脈硬化を進行させて、心疾患や脳血管障害を引き起こすリスクとなります。

そのため食生活や運動、睡眠といった生活全般の見直しを行いながら、コレステロールの値を下げる薬を使うこともあるのです。

なるほど。飲むのをやめると、動脈硬化や心疾患、脳血管障害のリスクを高めてしまうんですね!
脂質異常症は、動脈硬化や心疾患を引き起こす、もっとも重要な原因なんです。
たかがコレステロール、されどコレステロール。放っておくと後でとんでもないことになりますね…(汗)
そうなんです。大きな病気を予防するためにも、コレステロールの値を正常に保つ必要があることをまずは患者さんに理解してもらいましょう。
薬を飲む意味をまずは分かってもらうと。ふむふむ。
でもコレステロールのお薬には重大な副作用があることも有名です。それが今回患者さんからの質問にあった“筋肉が溶ける”と言われている横紋筋融解症ですね。

★ ドクター チェック ★

コレステロールを下げる薬の種類

スタチン系製剤は、肝臓のコレステロール合成を抑える薬です。

副作用として、横紋筋融解症を発症させることがあります。

フィブラート系製剤は中性脂肪を低下させるお薬です。

スタチン系製剤と同じく、副作用として横紋筋融解症を発症させることがあります。

他にコレステロール吸収阻害薬や抗酸化薬、EPA製剤やニコチン酸誘導体などのお薬もありますが、これらのお薬では横紋筋融解症が重要視されることはあまりありません。

スタチン系製剤とフィブラート系製剤で横紋筋融解症は起こりやすいんですね。
コレステロール吸収阻害薬でも起こらないことはないのですが、因果関係がハッキリとは分かっていない状態です。
ところで横紋筋融解症って具体的にどのような症状が起こるんでしょうか??
自覚症状としては「筋肉痛」や「疲労感」が多いです。「運動していないのに筋肉痛になっちゃってー…」と言われる患者さんはけっこういますね。

★ ドクター チェック ★

横紋筋融解症ってどんな症状が出る??

横紋筋は筋組織を構成する筋肉のひとつで、骨格筋とも呼ばれています。

細長い筋線維の集まりで特有の横紋があり、随意運動に関係しているのが特徴です。

横紋筋融解症は、横紋筋の細胞に含まれる物質が大量に血液中に溶け出して、全身状態を悪化させる病気として知られています。

発症すると、初期は体(特に、筋肉が多い太もも)が痛くなることが多いです。

その後、手足の力が入らない、血尿が出るといった症状がみられます。

横紋筋の成分が溶け出しちゃうから「筋肉が溶ける」って言われるんですね。
横紋筋融解症の発症は、スタチン系製剤であれば4か月以内がもっとも多く、ほとんどが1年以内に起こると言われています。フィブラート系製剤は2週間以内が一番多いですね。こちらはほとんどの方が2年以内に発症します。
ということは、今回のケースのように、すでに何年もお薬を飲んでいる方であれば、過度に心配する必要はないということですか?
理屈上はそうなりますね。でも可能性はゼロではないので、引き続き注意はしておかないとダメですよ。

現場でつかえる
★プラス★なセリフ

コレステロールの薬は自覚症状としては「筋肉痛」や「疲労感」が現れることもあります。
ただ放っておくとリスクが高いので、生活習慣の改善とお薬の力でコントロールしましょうね。
脂質異常症の薬のうち、スタチン系製剤とフィブラート系製剤は横紋筋融解症になる可能性があります。ただし横紋筋融解症を発症される方の多くは、お薬を飲みはじめて初期の段階で起こるのが特徴です。脂質異常症を放っておくと動脈硬化や心疾患、脳血管障害などのリスクが高まるので、生活習慣の改善とお薬の力でコレステロールをしっかりコントロールしましょう!

お医者さんお墨付き!!

脂質異常症に対するスタチン系の薬剤は心血管系疾患の予防にはとても大切な薬剤ですが、記事にあるように横紋筋融解症という重大な副作用を起こすリスクがあります。

横紋筋融解症が起きる頻度自体はとても低いのですが、スタチンを内服している母集団が非常に多いため、実際には横紋筋融解症の発症数自体は無視できません。

横紋筋融解症は血尿が出たり全身の筋肉痛などのわかりやすい症状が出れば診断は容易ですが、中にはなんとなく元気がない、力が入りづらいなどの軽微な症状を訴える方も多く、これらの方はそのまま未介入のままでは重症化する可能性があります。

薬局ではこれらの軽微な症状がないかどうかにも注意して問診していただくことが、横紋筋融解症の進展を未然に防ぐために大切と思われます。

【まとめ】

  • 脂質異常症でコレステロール値が高いとき、生活習慣の改善に加え、コレステロール値を下げる薬を服用することがあります。
  • コレステロール値を調整する薬の副作用として、便秘や腹部膨満感のほかに横紋筋融解症があることは良く知られている事実です。
  • 横紋筋融解症の初期症状は体の痛みだが、進行すると手足に力が入らなくなったり、血尿が出たりすることもあります。
  • 気になる症状が出てきたら、かかりつけの医師に伝えるよう促しましょう。
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