エース:では、続いてのテーマです。若手の成長を助けてくれるような「センパイ薬剤師」って皆さんの周りにいましたか?
Cさん:僕の最初の先輩は女性薬剤師でした。身長高くて顔がきりっとして、かっこいい系の“アネゴ”みたいな女性だったんです。2つ上かな、でも薬局長を任されてて。そういう人に突っ込まれまくるみたいな。「オマエしっかりしろよ」って。
エース:なんか想像つくなあ(笑)どんなことを言われてた?
Cさん:僕の癖なんですが、話を聞き取れないときに「え?何ですか」「はい?」みたいな、聞き返すときの態度がちょっと印象が悪いとか。「聞き取れなかったので、もう1度言ってもらえますか」とかしっかり言った方が良い、とか。超基本的なことで指導受けていましたね。
Bさん:ああ、でも僕もそういうこと、まさに今言われてますね。自然にやっていることが、案外気になってしまうこともあるのかも。
Aさん:俺のとこもそんな感じ。最初の店舗の薬局長が、結構うちの会社でも「カリスマ」と呼ばれている女性でめちゃくちゃできる人。だけど、カリスマとか言われる人だから大抵クセがあるじゃないですか(笑)
エース:いますね、バリバリな女性薬剤師さん。
Aさん:配属する前に他の先輩から「君はカリスマから好かれそうだな」と言われていて行ったんです。そうしたら案の定可愛がってもらえて(笑)周りの人はみんな怒られるのに、俺だけ怒られないという状態だった。
エース:Aくんは本当に取り入るのがうまいですね(笑)オトコ薬剤師は女性の先輩に育てられることが多いのかな?
Bさん:僕も今お世話になっている人は女性です。みなさんより、ずっと優しい人に囲まれてます。やっぱり先輩に1番聞きやすいっていうか。そろそろちょっとダメかもしれないんですけど。いろいろ聞いちゃいますね。それは若いうちだけかなって思って、今がチャンス!と何でも聞くようにしています。
Aさん:その姿勢はいいよ。俺も遠慮なく聞いてた。次第に「そんなのもわかんないのかよオマエ」って、みんなの目に現れてくるからね(笑)
エース:なるほど、若手のうちに活かせることをちゃんと意識しているんですね。
では、センパイのこんなところがすごかった!っていうエピソードはありますか?
Cさん:結構強めの麻薬に指定されている“咳止め”があって。その処方箋を患者さんがもって来られたので「これ麻薬扱いなので、うちだと用意するのに時間かかります」と説明したときに、患者さんが「えっ麻薬なんか飲むの?」って反応になって。
Bさん:そうですよね、どうやって対応すればいいんだろう。
Cさん:さっき話した女性薬局長の、アネゴが対応してたんです。まず、危険ではないことを説明して、「医師に同じ成分だけど麻薬じゃない規格のものに変えてもらえるか確認します」と伝えて。それで信頼してもらって、結局かかりつけの患者さんになったみたいです。
Aさん:ちゃんと真摯に対応できていることがすごいね。
Bさん:あ、似たような話で薬剤師の姿勢としてすごいな、と思ったことがあります。
薬の種類がたくさんあって、一包化もかなり細かい指示がある患者さんがいて。お薬手帳のシールを渡しそびれたことがあったんです。で、僕の先輩はその後しっかり丁寧に対応してミスも帳消しに。細かい患者さんでしたがその後も良い関係を築いていました。
エース:それもすごい!ベテランのリカバリー対応力は素晴らしいね。
Cさん:あと僕のところのアネゴは、技がすごかったですよ。小児の処方箋を受ける店舗で結構お母さんがピリピリしてるんです。子供も心配だし待ち時間長いと子供がぐずるし、だからスピード勝負の店舗だった。複数の薬「熱さまし・抗生物質・整腸剤・痰切り」をVマスでピシッと調剤するんです。1〜2往復で。
エース:“アネゴ”改め“Vマスマスター”ですね!
Cさん:いや、ほんと機械みたいに正確で(笑)僕なら最低でも5~6往復ぐらいかかってしまうから(笑)
Aさん:うちのカリスマ薬局長は、“かかりつけ制度”が始まる前にすでに指名が入ってました。彼女は何でも言うんですよ。「これはダメ、それはダメ」医師と違ってもうバシっと言うから、患者さんからは評判はいいですね。僕もずっと見てたからセンパイのやり方に影響を受けるようになりました。
エース:Aさんのカリスマ先輩もアネゴタイプですね。オトコ薬剤師にとって女性薬剤師から学ぶことは多いのかもしれませんね。
- 【 バリバリ女性薬剤師から影響受けがち!?】
- 共感力を持つ草食系キャラが多い、若手オトコ薬剤師。ビシッと言ってくれる男性的側面を持つバリバリ女性薬剤師が先輩だと、案外相性がいいかも!?
エース:すごいセンパイ薬剤師の話を聞いたので、ちょっとダメなセンパイの話も聞かせてください。
Bさん:実習の時とか、ちょっと苦手な薬剤師さんはいましたね。機嫌に左右される部分が多い女性薬剤師で。朝挨拶したらそっけなく「おはよ」みたいな。もう構わないでみたいなオーラが(笑)でも話しかけないわけにはいかないから、頑張って話しかけるんですが。
Aさん:まあ、女性はある程度、波はあるよね。今の職場の薬局長は、男性なんです。とにかく空気が読めない!例えば、妊娠されている派遣の女性薬剤師さんがいるんですが、丁度今つわりとかキツイ時期みたいで。おととい、その人から電話があって、「朝からなんですが午後2時からになっちゃいそうです」と薬局長に電話したみたいなんです。
エース:ほうほう。
Aさん:その女性は「今日休んでいいよ」みたいに気遣って欲しいじゃないですか。薬局長は「わかった」みたいな感じで、心配した感じもなく「2時からおいで」って言ったみたいなんです。
まず、普通に心配しろよ!ってなるじゃないですか。極めつけには薬局長は6時あがりだったんですけど、その派遣さんは7時まで働いて。先に何も言わず帰っちゃったんです。
Bさん:あーそれは気を遣わないと女性から総スカンくらいそう。。
エース:言葉を額面通りに受け取りがちですよね、オトコ薬剤師は・・・
Aさん:そうなんです、女性の気持ちがわかんない(笑)
Cさん:ああ、何となく耳が痛い話だなあ(涙)
Aさん:もう一つイイですか。薬局長の上のエリアを統括する上司の話なんです。忙しいし、現場を見てないから、数字だけで詰めてくるのは仕方ないと思うんですけど。薬剤師がエリアを統括する上司になってるわけだから、初心というか心を取り戻してほしいですね。数字・目標が現実味なさすぎで、会社に魂売りやがって!と思う(笑)
エース:数字っていうのは具体的に、かかりつけの同意件数を増やせとか、売り上げとかそういう話なんですか。どのへんに1番納得がいかない?
Aさん:うちの店舗だとジェネリックの使用率ですね。担当している医師の方針でだいぶ影響されてしまうので、かなり難しい。自分がどうしようもないことに、根性でやれって言われても、萎えちゃうよね。
Cさん:それはわかります。嫌なこと、今思えば愛の鞭かもしれないんですが
エース:おお、みんな結構不満がありますね(笑)
Cさん:店舗がとても混んでるときに、「君が作業するより私の方が早いから、服薬指導だけやって」とか言われて、10人ぐらい連続でやらされて。「1回休んでいいよ」って言われて、1回ピッキングしたら「また行け」とか。そこまで分担するのか〜みたいな。
Bさん:うわー、それは溜まりますね。ストレスと・・・
Cさん:そう、ストレスと同時に薬歴が(苦笑)本当に後から大変なので。まあ鍛えられましたけどね。
エース:なるほど、若手オトコ薬剤師の憧れや不満が何となくわかりましたね。センパイとして上手くやっていくには、理屈や筋道が通ったコミュニケーションを心がけるのが大事なのかもしれませんね。
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